過剰歯とは?定義と発生率
過剰歯の定義
過剰歯(かじょうし)とは、正常な歯の本数を超えて余分に生えてくる歯のことを指します。通常、子どもの乳歯は20本、永久歯は28〜32本ですが、それ以上の歯が確認された場合に過剰歯と診断されます。
過剰歯は、乳歯でも永久歯でも発生することがあり、特に上の前歯の間や奥歯の近くなどに見られるケースが多いです。生えておらず歯茎の中に埋まっている場合や、通常と異なる向きで生えてくることもあります。

過剰歯の発生率
過剰歯は約30〜40人に1人(約3%)の割合で見られます。決して珍しいものではありませんが、日常生活で周囲の子どもに見られることは少ないため、親御様にとっては驚きを伴うかもしれません。また、子どもの過剰歯は男女で発生率に差があり、一般的に男の子の方が発生しやすいとされています。
過剰歯の原因とリスク
原因①遺伝
過剰歯の発生には遺伝的要因が関係すると考えられています。親族に過剰歯を持つ人がいる場合、子どもにもその傾向が見られることがあり、家族の体質や歯の成長に関連があると言われています。しかし、現時点では決定的な研究結果は少なく、遺伝だけでなくさまざまな要因が絡み合って発生する可能性も指摘されています。
原因②歯の発育異常
過剰歯は、顎の骨内で余分な歯胚(歯の種)が形成されたり、既存の歯胚が分裂することで発生すると考えられています。このような歯の発育異常は、胎児期の発育過程で何らかの影響を受けた結果とも推測されています。また、ホルモンバランスや全身の発育状態も関係する可能性があり、これらが複雑に絡み合うことで過剰歯が生じると考えられています。
過剰歯を放っておくリスク
過剰歯を放置した場合、さまざまな問題を引き起こすリスクがあります。まず、歯並びへの悪影響です。過剰歯が正常な歯を押し出したり、位置をずらしたりすることで、歯列不正となる可能性があります。また、噛み合わせが悪くなることで食事や発音に支障をきたす場合もあります。
さらに、過剰歯が埋まったままだとその周囲に嚢胞(のうほう)が形成されることがあり、炎症や細菌感染のリスクも高まります。また、過剰歯が隣接する歯の歯根に影響を及ぼし、歯が弱くなったり、抜けやすくなったりする場合もあります。
過剰歯の処置方法
経過観察
過剰歯が他の歯に影響を与えていない場合や、症状がない場合には経過観察が選択されることがあります。特に、完全に埋まっている過剰歯や小さい過剰歯は、すぐに治療は行わず定期的に状態を確認する方法が取られることもあります。
抜歯
過剰歯の治療では多くの場合、抜歯による治療が推奨されます。抜歯の判断は、過剰歯が他の歯に悪影響を及ぼしているかどうかによって決まります。たとえば、永久歯が正常に生えない場合や歯並びが悪化するリスクがある場合には、早期に抜歯を検討することがあります。抜歯のタイミングとしては、通常5歳から7歳頃が一般的です。なお、過剰歯の位置や形状によっては特別な手術が必要になる場合もあります。
過剰歯を見つけたときに親御様が取るべき対応

「お子さまの歯に過剰歯が見つかった」「通常より歯が多い気がする」と感じた場合は、歯医者で検査を受けましょう。過剰歯は見た目だけでは判断が難しい場合が多く、レントゲン撮影や口腔内の詳しい診察が必要です。特に、永久歯の生え変わり時期である6〜7歳頃には、過剰歯が乳歯や永久歯の生え方に影響を与える可能性が高まります。当院には小児歯科がありますので、子どもに配慮しながら、痛みや不安を最小限に抑えて診察を実施します。安心してご来院ください。

加藤歯科クリニック
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加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。