針金のような見た目の「フィックスリテーナー」とは？

フィックスリテーナーとは？

フィックスリテーナーとは、矯正治療後の歯の後戻りを防ぐために使用される固定式のリテーナーです。歯の裏面に針金状のワイヤーを接着して取り付けるタイプで、一度装着すると取り外すことなく使用できます。固定式という特徴から、自分で毎日装着の有無を気にする必要がありません。

フィックスリテーナーは主に矯正歯科の治療後に利用され、後戻り防止のための有効な手段とされています。装着箇所が歯の裏側であり、ワイヤーは細く目立ちにくいため、見た目への影響を最小限に留めることができます。また、フィックスリテーナーは主に犬歯間を固定する形で使用され、レジン接着剤を用いて歯の裏側にしっかりと装着されます。

フィックスリテーナーのメリットとデメリット

フィックスリテーナーのメリット

フィックスリテーナーには、矯正治療後の歯並びの後戻りをしっかりと防ぐという大きな利点があります。歯の裏側にワイヤーを接着する固定式のリテーナーであり、自分で取り外すことができないため、装着のし忘れがありません。ワイヤーが歯の裏面に設置されるため目立たず、審美性が高いのも特徴です。表からは見えにくいデザインのため、リテーナーの存在を気にする必要がありません。

フィックスリテーナーのデメリット

　一方で、フィックスリテーナーにはいくつかのデメリットもあります。まず、自分で取り外すことができないため、虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。ワイヤーの周辺は特に汚れが溜まりやすいため、丁寧な歯磨きやデンタルフロスなどの使用が必須です。

素材が劣化したり外れることがあるため、その際には再度歯科医院を訪れて取り付け直す必要があります。また、装着中に硬い食べ物などでワイヤーが曲がったり外れるリスクもあるため、食生活にも注意が求められます。

フィックスリテーナーのメンテナンス方法

デンタルフロスや専用ブラシを使う

フィックスリテーナーは針金やワイヤーが歯の裏面に固定されているため、歯周病や虫歯を防ぐためのケアが特に重要となります。通常の歯ブラシだけではリテーナー周辺の汚れを完全に取り除くことが難しいため、デンタルフロスや専用のブラシを使用することをおすすめします。特にフィックスリテーナー用のフロススレッダーなどを利用すると、ワイヤーの下を通して効率良く清掃することができます。

定期的な歯科検診を受ける

フィックスリテーナーを装着している場合、定期的に矯正歯科や歯科医院で検診を受けましょう。針金部分や接着剤が劣化していないか、清掃が十分に行われているかなどを専門医に確認してもらうことで、安心して使用し続けることができます。

硬い食べ物に注意する

フィックスリテーナーの針金やワイヤー部分は丈夫に作られていますが、過度な負荷をかけると破損の原因となることがあります。そのため、硬い食べ物の摂取には十分注意が必要です。例えば、氷を噛む行為や硬いナッツ、飴類などを直接かじることは避けた方が良いでしょう。

フィックスリテーナーが向いている人とは？

リテーナーの装着を忘れがちな人

取り外し式のリテーナーは自分で着脱が可能ですが、日常的に装着を忘れてしまうと歯並びが後戻りしてしまうリスクがあります。一方で、フィックスリテーナーは歯の裏に針金（ワイヤー）で固定されているため、装着を忘れる心配がありません。矯正治療後の適切なケアを手軽に行いたい人には最適です。

物を無くしがちな人

取り外し式リテーナーは、食事や歯磨きの際に外した後、そのまま紛失してしまうケースが少なくありません。しかし、フィックスリテーナーは歯に固定されているため、無くす心配が一切ありません。物を無くしがちな人や、忙しい日常の中で管理が難しいと感じている方にも適しています。

楽器演奏をする人（トランペット、サックスなど）

取り外し式リテーナーは、発音や息を吐く際の圧力によって動いたり、違和感を感じたりする場合があります。しかし、フィックスリテーナーはしっかりと歯に固定されているため、トランペットやサックスなどの楽器演奏においても安心です。特に、演奏中の口元の動きを邪魔せず、自然に呼吸や演奏に集中できるという点で演奏者に向いています。