ホワイトニング後の歯は再着色しやすい

ホワイトニング直後の歯の状態
ホワイトニング直後の歯は、非常にデリケートな状態です。ホワイトニングの工程では、歯の表面を覆っている「ペリクル」と呼ばれる薄い膜が一時的に剥がれます。この膜は通常、外部からの色素や汚れの付着を防ぐ役割を果たしていますが、これがなくなることで、歯が色素や酸の影響を受けやすくなります。そのため、ホワイトニング直後は特に食事や飲み物に注意を払う必要があります。
色素沈着のメカニズム
ホワイトニング直後の歯が色素沈着しやすいのは、歯の表面が露出している状態になるからです。通常状態でも歯は飲み物や食べ物の色を少しずつ吸収しますが、ペリクルが剥がれた後では、その吸収力が格段に高まります。特に色の濃い食べ物や飲み物、酸性の食べ物は歯にダイレクトに影響を与えやすく、再着色を引き起こします。
ホワイトニング直後は食べ物に気を付けよう
ホワイトニングした直後の食事には十分注意することが大切です。一般的にはオフィスホワイトニングの場合は24〜48時間、ホームホワイトニングの場合は1〜2時間が重要な期間とされています。この期間中は、特に着色しやすい食品や飲み物を避けてください。
避けるべき食べ物と理由
①色の濃い食材(カレー、トマトソースなど)
ホワイトニング直後の歯は、色素を吸収しやすい状態になっています。そのため、カレーやトマトソース、醤油を使用した料理など、色の濃い食材は控えることが推奨されます。これらの食品に含まれる色素が歯に付着し、せっかくのホワイトニング効果が弱まる可能性があります。特にカレーやミートソースなど鮮やかな色を持つ料理は、着色のリスクが高いので注意が必要です。
②酸性の食品(柑橘類、酢など)
酸性の食品は歯の表面に負担をかけるため、ホワイトニング直後には避けたほうが良いとされています。柑橘類(オレンジやレモンなど)やお酢を使った料理は、歯のエナメル質を弱める可能性があり、その結果、色素がより吸着しやすくなります。酸性の食品や飲み物を摂取することで、ホワイトニングの効果が台無しになってしまうことがあるため注意しましょう。
③糖分や油分を多く含む食品
糖分や油分を多く含む食品も、ホワイトニング直後には控えたほうが良いです。たとえば、チョコレートやケーキ、揚げ物などは歯に付着しやすいだけでなく、口内環境を悪化させる可能性があります。これらの食品が唾液と混ざり、着色物質として歯に残るリスクがあるため、ホワイトニング直後の食事としては避けるべきです。
④発酵食品や香辛料の強いもの(味噌、キムチなど)
味噌やキムチのような発酵食品や、香辛料の強い食べ物もホワイトニング中にNGな食べ物に該当します。味噌は濃い色のものが多く、キムチは赤い唐辛子などの色素が含まれているため、着色のリスクがあります。また、これらの食品は強い匂いを伴うことが多いため、ホワイトニング後の歯に悪影響を与えるだけでなく、口臭の原因にもなりかねません。
見逃しがちなNGな食べ物
ホワイトニング後には一見問題がなさそうに思える食品でもNGな場合があります。
①バターやマーガリンたっぷりのパン・お菓子
脂質が多いと、着色汚れを引き寄せやすくなります。
- クロワッサン・デニッシュ系のパン
- バターたっぷりのクッキー・パウンドケーキ
- ポテトチップス・スナック菓子(油分+味付けが濃い)
対策:シンプルな食パンやクラッカーなどを選ぶ。
②豆類(黒豆・納豆・豆乳)
黒豆は色素が強く、納豆や豆乳は「イソフラボン」が歯の表面に吸着しやすいです。
- 黒豆(おせち料理など)
- 納豆(そのままよりもタレの色が問題)
- 豆乳(特に無調整タイプ)
対策:白豆腐・白あえなど、色の薄い大豆製品を選ぶ。
③ビタミン剤・サプリメント(鉄分・マルチビタミン)
鉄分が含まれていると歯に黒ずみがつく可能性があります。
- 鉄分サプリ・ビタミンドリンク(特にオレンジ色のもの)
- マルチビタミンの錠剤(着色料が含まれる場合あり)
対策:ホワイトニング直後はサプリを避けるか、カプセルタイプを選ぶ。
避けるべき飲み物と理由

①コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料
ホワイトニング後の歯は色素の吸収率が高くなっています。コーヒーや紅茶にはタンニンという成分が含まれており、歯の表面に色素が定着しやすくなるため避けるべきです。特にホットの状態で飲むことで色素が歯に染み込みやすく、ホワイトニング中にNGな飲み物として知られています。ホワイトニング後の歯を白く保つためには、これらのカフェイン飲料を控えることが重要です。
②赤ワインやコーラなどの濃色飲料
赤ワインやコーラといった濃い色の飲料もホワイトニング後には避けなければなりません。これらの飲み物には濃い色素や酸性成分が含まれており、歯の表面に容易に着色してしまいます。また、赤ワインはポリフェノールが豊富な一方で、歯に色をつける要因となります。コーラも炭酸と濃色染料の組み合わせが歯にダメージを与えやすいため、ホワイトニング後の飲食には不向きです。
③酸の強い飲み物(炭酸飲料など)
ホワイトニング後の歯はエナメル質が一時的に柔らかくなっているため、酸の強い飲み物を摂取することで歯の表面がさらにダメージを受けてしまいます。炭酸飲料やスポーツドリンクなどは酸性度が高く、これを摂取することで歯の表面が溶けやすくなる可能性もあります。その結果、ホワイトニング効果が減退するだけでなく、歯の健康を損なうリスクも高まります。
④緑茶やハーブティーも注意が必要!
一見健康的に思える緑茶やハーブティーですが、ホワイトニング直後には注意する必要があります。特に濃い緑茶はカテキンやタンニンが含まれており、長時間の摂取で歯に着色のリスクがあります。また、ハーブティーの中には濃い色を持つものがあり、それが歯に色素として付着する可能性があります。透明な飲み物や水を選ぶことで、ホワイトニングの効果を長持ちさせることができます。
ホワイトニング後におすすめの食べ物と飲み物
おすすめの食べ物一覧
ホワイトニング後には、歯を守りながら満足できる食事を摂ることが重要です。色の濃い食材や酸性の食品を控える一方で、以下のような食べ物がおすすめです。
- 白米やお粥
- 蒸した鶏肉や白身魚
- ゆでた卵やスクランブルエッグ
- うどんやそうめんなどの白い麺類
- じゃがいもやカリフラワーなど色の薄い野菜
- 無糖のヨーグルト(果物やフレーバーを含まないもの)
- 豆腐(醤油は掛けない)
これらの食材は色が薄く、ホワイトニング中にNGな食べ物に該当しないため、歯への影響を最小限に抑えられます。
おすすめの飲み物一覧
飲み物選びもホワイトニングを成功させるために重要です。特に着色の心配がない透明な飲み物を中心に選びましょう。
- 水
- ホットミルク
- 白湯(温めた水)
水はもっとも安全で歯への影響がないため、ホワイトニング直後の飲み物として最適です。また、ホットミルクや白湯は体が冷えることなく安心して摂取できます。
NGな食べ物を食べてしまった場合は?
すぐに水で口をすすぐ
NGな食べ物を誤って摂取してしまった場合、まずはすぐに水で口をすすぐことが重要です。ホワイトニング直後の歯は色素が吸着しやすい状態のため、水を使って口内を洗浄することで、食べ物の色素や酸が歯に付着するのを防ぐことができます。
歯磨きをする(ただし30分後に優しく)
NGな食べ物を摂取した後、水ですすいだ後も、時間をおいて歯磨きを行うようにしましょう。ただし、ホワイトニング直後は歯が敏感な状態のため、刺激を避けるために食後30分を目安に優しく磨くようにしてください。強くこすると歯の表面にダメージを与え、逆に着色を促進してしまう可能性があるので注意が必要です。
その後24時間は着色しやすい食べ物を控える
ホワイトニング後に着色しやすい食べ物を食べた場合、その後24時間は特に注意が必要です。この期間中は、再度色素が歯に付着しないようにカレーや醤油などの色の濃い食品、酸性の食品を避けることが大切です。「ホワイトニング中にNGな食べ物」を意識し、白い色の食べ物や水分を中心に摂取することを心がけましょう。
歯の表面をコーティングできる歯磨き粉を使用する
歯磨きの際には、ホワイトニング後の歯に適した歯磨き粉を使用しましょう。特に「歯の表面をコーティングできる歯磨き粉」は着色予防に効果的です。ホワイトニングで色素沈着のリスクが高まっている状態を補い、歯を守る役割を果たします。日常的に使用することで、ホワイトニングの効果を持続させる助けにもなりますので、ぜひ取り入れてみてください。

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