歯茎がブヨブヨで痛い!とお悩みですか?
「最近歯茎がブヨブヨするような…。しかもなんか赤く腫れてるし痛いし、これってなんなの?どうしたら治るの?!」と思っているそこのあなた!今日は歯茎のブヨブヨの正体・原因・治し方について解説していきます。
ブヨブヨ歯茎の正体は「炎症」です
歯茎のブヨブヨの正体は、歯茎の炎症と感染です。もしそのブヨブヨが歯茎の広い範囲にわたって生じているのだとしたら…それ、放っておいても治りません。市販のなにかの薬を塗ったり抗菌薬を飲んだとしても、多分治ることはありません。「歯茎が腫れてるだけ。腫れはいつものことだし虫歯はないからいいや」と放っておいてはいけません。「腫れがいつものこと」ならば、放置は一層危険です。以下に列挙するような症状があったら要注意。あなたは歯周病かもしれません…。
■こんな症状ありませんか?
- 歯茎の赤みや腫れ
- 押すと柔らかく感じる
- 出血しやすい
- 膿が出る、または膿の臭いがある
- 痛みや違和感がある
- 歯がぐらつく
いくつも当てはまる…それは「歯周病」という病気です
歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨などの組織に起こる感染症です。虫歯が「歯が溶ける」病気であるのに対し、歯周病は「顎の骨(歯槽骨)が溶ける」という病気です。
一見すると歯茎が腫れているだけに見えるかもしれませんが、その内側では歯を支える歯槽骨がみるみる溶けています。やがて歯茎はやせて下がり、歯は支えを失いグラグラになり、そしてポロポロ抜け落ちます。歯周病は恐ろしい病気です。
ブヨブヨ歯茎の原因、歯周病の進行プロセス
1.初期歯周病(歯肉炎)
歯垢(プラーク)が歯の表面にたまり、細菌が歯茎に炎症を引き起こします。歯茎が赤く腫れ、ブラッシング時に軽い出血が見られることがあります。痛みや腫れが目立ちますが、歯を支える骨に影響はありません。歯周ポケットは通常3mm程度で、深さがわずかに増すことがあります。
この状態であれば、歯周病基本治療(スケーリングとルートプレーニング。後述します)によって治療できます。正しく処置をおこなえば完全に治る可能性が高いです。
2.軽度歯周病
歯肉炎が進行し、炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで広がり始めます。歯周ポケットが深くなり、歯茎の引き締まりが徐々に失われていきます。歯茎が腫れ、歯肉の退縮(歯茎が下がる)が見られることがあります。ブラッシング時の出血が頻繁になり、口臭が悪化することもあります。歯周ポケットの深さが4~5mm程度になります。
この状態であれば、まだ歯周病基本治療によって治療が可能です。少なくとも病状の悪化は食い止めることができます。
3.中等度歯周病
歯垢や歯石が長期間にわたり溜まり、炎症が歯を支える骨や歯根膜に広がり、歯槽骨がさらに溶けてきます。歯茎が後退し、歯の根っこが徐々に露出してきます。歯のぐらつき、歯茎の腫れ、膿の分泌、口臭の悪化が見られます。歯周ポケットは5~7mm程度になり、さらに深くなる可能性があります。
この状態まで進行するとFMD治療や歯周組織再生治療など、重度の歯周病に対する治療が必要になってきます。進行を止めることはできますが、骨の吸収が進んでいるため、元の状態には戻りません。
4.重度歯周病
歯周病が進行し、歯槽骨が大きく溶け、歯の根元に大きな歯周ポケットが形成されます。歯を支える骨の喪失が著しく、歯がぐらつきます。歯茎の炎症が広がり、歯を支える組織がほぼ完全に失われている状態です。歯がぐらつく、歯茎から膿が出る、歯肉の退縮が進んで歯の根が露出する、激しい口臭、痛みが伴うこともあります。歯周ポケットは7mm以上、場合によっては10mmを超えることがあります。
ここまで重度に進行した場合は、歯周外科手術や歯周組織の再生治療が必要です。歯の保存が難しくなるため、抜歯が必要になることもあります。
ブヨブヨ歯茎は放っておいても治りません
歯周病を放置しても症状は悪化する一方です。自然に治ることはほとんどありません。進行するにつれて、歯茎の痛みや腫れを通り越して、歯はぐらぐらし、やがて抜け落ちます。さらに歯周病が進行すると細菌や毒素が血管を通じて全身をめぐり、心内膜炎、脳腫瘍、腎炎・腎潰瘍、骨髄炎、敗血症などの重篤な症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。ブヨブヨ歯茎は放っておいてよいものではありません。早急に歯医者さんで診てもらいましょう。
ブヨブヨ歯茎歯周病の治療
ブヨブヨ治療①:スケーリングとルートプレーニング
スケーリングとルートプレーニングは、歯茎のぶよぶよした部分を治療するための基本的な方法です。この治療法は、歯周病を引き起こす原因となる細菌の集積である歯石を取り除くことで、歯茎の炎症や腫れを軽減することを目的としています。スケーリングでは、歯表面に付着した歯石や歯垢をクリーニングし、ルートプレーニングでは歯根の表面を滑らかにして細菌の再付着を防ぎます。これにより、歯茎の痛みや出血が改善され、健康的な状態へと導くことが可能です。初期歯周病と軽度歯周病であれば、この歯周病基本治療で完治することがほとんどです。
ブヨブヨ治療②:FMD治療
FMD治療とは中等度以上の歯周病においておこなわれる治療で、前述のスケーリングとルートプレーニングを1度の治療で完了させるという治療法です。通常、保険適用でおこなうスケーリングとルートプレーニングは、歯列全体を6セクションに分割し、治療1回で1セクションずつおこないます。この方法は患者さんの1回治療あたりの負担を軽減できるというメリットがあるものの、治療効果としてはデメリットもあります。分割して治療することで、2セクション目、3セクション目と治療を進めていくうちに、治療がすでに終わっている1セクション目が再感染を起こしてしまうのです(他の未治療セクションから菌が移ってしまう)。FMDは1日ですべてのセクションを治療するため、一度で限界まで細菌を除去することができます。また、抗菌薬を併用することでさらに治療効果を高めます。
ブヨブヨ治療③:歯周病フラップ治療(歯周組織再生治療)
歯周病のフラップ治療は、進行した歯周病に対する外科的治療法で、歯茎を一時的に切開して歯の根や歯槽骨を直接治療する方法です。この治療は、スケーリングやルートプレーニングだけでは改善しきれない深い歯周ポケットを持つ患者に適用されます。治療の際、歯茎を切開してめくり、歯石やプラークを徹底的に除去した後、感染した歯槽骨や歯根面を清掃します。場合によっては、骨移植や再生療法を行い、歯槽骨の再生を促進することもあります(歯周組織再生治療)。治療後は、歯茎を縫合して元に戻し、治癒を待ちます。フラップ治療により、深い歯周ポケットが閉じ、歯周病の進行を防ぐことができます。
歯茎のブヨブヨが進行して歯が抜け落ちたら…
歯茎のブヨブヨが進行して歯が抜け落ちてしまった場合、抜けた歯の修復治療をおこないます。修復治療は3種類。入れ歯、ブリッジ、インプラントです。これらについては「抜けた歯の修復」ページで詳しく解説します。
歯茎がブヨブヨで痛い!治したい!と思ったら当院へ
加藤歯科クリニックでは(練馬区、中村橋駅)、軽度歯周病から重度歯周病まで様々な症状に対応できる診療をおこなっています。歯が抜けてしまったときの修復治療もおこなっています。歯茎のブヨブヨを治したい…とクリニックをお探しなら、ぜひ当院にご来院ください。
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加藤歯科クリニックは中村橋の一般歯科・小児歯科です。お口まわりのどんな症状・悩みも診療します。「急な痛み」や「被せ物の脱離」など、今すぐ処置が必要な患者様を予約なしで受け入れています。お困りの方はお電話ください。